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元本保証とは
元本保証とは、元本保証をしている金融商品に対して投資した時に、運用期間中・払出時において、投資した際に元本を割らない保証をしてくれるものです。
一般的に分かりやすいのは、銀行預金です。銀行預金では、1000万円までという金額の制限はありますが、元本保証がされていますので、安心して投資することができます。
しかし、安心=ローリスクな投資になるほど、得られる金利が少ないことも事実です。
銀行預金の金利は、高くても0.02%ほどであり、例え1000万円預けていたとしても、年間で増える額は2000円です。
リスクを取ればリターンは減り、リターンを取ればリスクは増えますので、仕方ないことですが、元本保証は何も銀行預金だけではありません。
他にも様々な金融商品が存在しますので、ご紹介していきます!
一般的な元本保証型の資産運用
個人向け国債
個人向け国債は、国が発行している債権(国の借用証書のようなもの)を購入し、満期が来れば投資した元本と、その対価として金利を受け取れる金融商品です。
毎月発行されていて、金利の下限は0.05%となっています。
個人向け国債は3種類あります。
固定3
満期は3年で、金利が固定されています。
例えば、第98回(H30.08.15~H33.08.15)発行時に100万円分購入したとすると、3年後には元本100万円と金利1500円が受け取れます。
固定5
満期は5年で、金利が固定されています。
例えば、第88回(H30.08.15~H35.08.15)発行時に100万円分購入したとすると、5年後には元本100万円と金利2500円が受け取れます。
変動10
満期は10年で、金利は変動し、半年ごとに見直されます。
例えば、第804回(H25.01.15~H35.01.15)発行時に100万円分購入したとすると、10年後には元本100万円と金利3800円が受け取れます。
それぞれ、発行1年後には途中で換金することも可能で、その際には直前2回分の各利子相当額(税引前)✕0.79685分が差し引かれることになっています。
さらに、金利受取時に20.315%分の税金が差し引かれます。
個人向け国債は、金利が少なく満期まで時間がかかることがデメリットですが、最低1万円という少額から投資でき、元本保証は無いものの、国が発行しているという安全性が最大のメリットなので、ローリスクで運用したい方にはおすすめです!
地方債
地方債は、個人向け国債の「地方版」と考えてください。国債は国が発行している債権に対して、地方債は地方自治体が発行している債権です。
金融商品の質としては、地方債も国債と同じように、満期になれば金利が得られ元本が戻ってきます。さらに途中売却も可能となっています。
逆に国債と違う点としては、地方自治体によって、満期の長さが5年もあれば10年以上もありますし、購入金額も1万円から購入できることころもあれば、10万円からしか購入できないところもあります。金利も地方自治体によって、バラバラです。
地方債は3種類あります。
全国型市場公募地方債
各地方公共団体が発行する債権です。
誰でも購入可能で、5年満期・10年満期・10年以上満期など様々で、発行頻度は不定期となっています。
住民参加型市場公募地方債
都道府県や市町村が発行する、地域に密着した債権です。
発行する地方自治体に居住、または勤務している方に購入を制限することが多く、3~7年満期が中心で、発行頻度は不定期となっています。
共同発行市場公募地方債
地方公共団体が共同で発行する債権です。
誰でも購入可能で、10年満期で固定されており、発行頻度は国債と同じく毎月です。
地方債は、国債同様元本保証がなく、財政破綻などのリスクが高いというデメリットはあるものの、国債よりも金利が高いのはメリットです。
例えば、平成30年7月発行の全国型市場公募地方債では
福岡県15年債・・・0.366%
兵庫県20年債・・・0.545%
愛知県30年債・・・0.777%
となっているので、国債よりもリターンは多いです。
国債や銀行預金よりもリスクを取って、少しでもリターンを得たい方、株などよりも安全に資産運用したい方にはおすすめです!
個人向け社債
社債とは、国債の「企業版」だと考えてください。個人向け国債や地方債と同じく、満期になれば元本が戻り、金利が得られます。
社債は企業が事業資金等を集める目的で発行する債権ですが、一般的には機関投資向けに発行されるので、最低購入額は1億円ほどになります。
そして、機関投資家向けではなく個人投資家向けに発行される社債を、個人向け社債と言い、最低購入額も10万円ほどから投資できる金融商品です。
主要な社債の種類は以下の通りです。
普通社債
一般的に購入される社債で、満期は短期間(1年~3年ほど)が多く、企業によって様々ですが、金利は発行される時点で固定されることがほとんどです。
転換社債
正式には「転換社債型新株予約権付社債」と言い、発行している企業の株と一定の価格で交換できる社債で、社債としての金利に加えて、株式の売買益も狙えるので、普通社債よりも有利なのかと言えば、案外そうでもありません。
企業の株式と一定価格で交換できるだけに、金利は普通社債よりは低く設定されていて、基本的には0%がほとんどです。
ワラント債
社債にワラント(新株予約権)がセットになった社債で、一定価格と範囲内で企業の株を購入できる権利を取得できます。
転換社債と混同しそうですが、違いはハッキリしています。
転換社債・・・社債を購入した資金を株式に変換出来る。
ワラント債・・・社債を購入した資金で一定価格と範囲内で株を購入できる権利が得られるのみで、株の購入には別途資金が必要。
この他には、劣後債や電力債や仕組債なども存在します。
個人向け社債のメリットは、満期の短さと金利の高さで、例えばSBI債は満期が2年ながらも金利は0.48%ですが、デメリットは企業倒産リスクが国債や地方債よりも高いことです。
リスクが高い分、リターンが多いので、よりリターンを求める方におすすめです!
貯蓄型保険
貯蓄型保険とは、万が一の時の生命保険としての保証、さらに支払った保険料を積み立てることが出来るため、満期もしくは解約時には積み立てた保険料を受け取ることが出来る保険のことです。
主要な貯蓄型保険の種類は以下の通りです。
終身保険(低解約返戻金型終身保険)
その名の通り、一生涯に渡って保証される保険です。
保険料が安く、保険料を積立することにより、返戻率が高いため満期時には支払った保険料以上の満期給付金が受け取れます。
しかし、途中解約した場合には、支払った保険料よりも少ない解約返戻金(約7割程度)しか返ってこないリスクがあります。
養老保険
加入した時点で死亡保障が付いてきて、高度障害になった際でも保険金が受け取れる保険です。
死亡保証が付いていながら、満期時には支払った保険料と同額の満期給付金が受け取れます。
しかし、保険料が高い割に一生涯保証されるわけではなく、途中解約すると解約返戻金が支払った保険料よりも少なくなります。
学資保険
子供の教育資金を貯めることに特化した保険です。
契約中に入学などのタイミングで祝い金がもらえたり、契約者が死亡した場合に、保険料が免除されたり、返戻率が高いため満期時には支払った保険料以上の満期給付金が受け取れます。
しかし、保険料が高く、親と子に持病がある場合は加入できない可能性があり、保証が充実している分、途中解約すると解約返戻金が支払った保険料よりも少なくなります。
この他に、保険料を外貨で積立するハイリスクハイリターンな外貨立て保険があります。
強制的に貯蓄をして、将来に向けて準備したい方におすすめです!
公社債投資信託
公社債投資信託とは、株式を投資対象として組み入れずに、公社債(国債や地方債や社債などの債権)だけで構成する投資信託です。
この公社債投資信託は、その構成が100%債権のみで組まれているので、安全性が非常に高いのが特徴です。
主要な公社債投資信託の種類は大きく分けて2種類あります。
単位型・・・募集されている期間のみ購入可能なで、比較的短期間の投資信託
追加型・・・常時購入可能な投資信託
追加型にはいくつか種類があります。
MRF(マネー・リザーブ・ファンド)
証券会社が提供する投資信託で、安全性の高い超短期債権を中心に自動運用してくれ、毎日の分配金で月末に再投資されるので、複利運用ができます。
銀行預金よりは金利が高いので、ローリスクで資産を預けられます。
MMF(マネー・マネージメント・ファンド)
MRFよりも少し長い債券を扱う分、リターンとリスクが高くなり、30日未満に解約すると、信託財産留保額という手数料を支払う必要があります。
現在では、2016年のマイナス金利の影響を受けて、運用されていません。
中期国債ファンド
その名の通り、中期国債を中心に運用する投資信託で、略して「中国ファンド」とも呼ばれています。
MMFとの商品特性が似ていることから扱いが激減し、MMF同様、現在では運用されていません。
外貨MMF(マネーマーケットファンド)
海外の短期債権を中心に運用する投資信託で、リターンもリスクもMRFより高くなります。少額から投資ができ、高金利通貨への投資ができますが、安全性の高い債権を扱うとは言え、外貨建てでの投資になるので、為替リスクには常にさらされます。
この他には、国内中心の中長期公社債を扱う長期公社債投信や、国内外の3ヶ月や6ヶ月という超短期公社債を扱う短期公社債投信があります。
どれも少額(最低1円から)購入できて、比較的安全性の高い公社債への投資が出来るので、安全性を求めるけどリターンも求める方におすすめです!
変わり種!元本保証の上で高利回り商品
デパート「友の会」で年利8%以上の運用
友の会とは、百貨店(大丸・三越・伊勢丹など)が行っている積立サービスです。
基本的な仕組みは、毎月決められた額を積み立てることによって、満期時に1ヶ月分の積立金を上乗せした、その百貨店で使用可能な買い物カード等のボーナスが貰えるものです。
満期は12ヶ月(一部では6ヶ月もある)となっていて、百貨店によっては優待価格で施設が利用できたり、観劇がボーナスとして見られるところもあります。積立金額は百貨店によってバラバラですが、3千円~5万円ほどのコースに分かれていることが多いです。
この友の会での、一番のメリットはなんと言ってもその利回りの良さです。
例えば、1ヶ月の積立が5千円だった場合は、12ヶ月積み立てること1年後には元本の6万円に、1ヶ月分の積立金ボーナスが付いて、6万5千円分の買い物カード等が手に入ります。
つまり、年利換算すると約8.3%となり、とてもリターンの高い投資先と言えます。
友の会は百貨店をよく利用している方にとっては、とてもおすすめです!
旅行が大好きな人には「旅行積み立て」がオススメ
旅行積み立てとは、旅行会社や航空会社に対して、旅行のために積み立てることができるサービスです。毎月積み立て出来るパターンと、一定期間分を一括で積み立てるパターンがあり、どちらもサービス額率(金利)に応じて旅行券やJR券等がもらえます。
積み立てる場合の積立金額は3000円~5万円ほどで、回数は6回~60回となっています。
一定期間分を一括で積み立てることもでき、期間は6ヶ月~60ヶ月分となります。回数と期間は会社によって異なります。
サービス額率は約1%~6%(会社や満期等で異なる)ほどに設定されているので、銀行預金などよりはかなり金利が高いです。
ただし、JTBのたびたびバンクでは、フリープランが用意されていますが、積み立て回数や満期が自由な為、サービス額率は0.8%となっています。
旅行積み立てでは、旅行時に使用できる旅行券やJR券等のみ、途中解約すると現金では返ってこず、サービス額も付かない場合もあります。
旅行が大好きな方には非常におすすめです!
おすすめの元本保証型の資産運用はこれだ!
「個人年金保険」は控除分も考えると最強!
個人年金保険とは、契約時に決めた年数が経過した後に、公的年金のように一定額の年金を受け取ることが出来る、貯蓄型の保険です。
個人年金保険には、受け取り期間によって3種類に分けられます。
確定年金
契約者の生死に関係なく、一定の年齢上で契約時に決めた一定期間(5年・10年・15年)年金を受け取ることが可能です。死亡した場合は遺族が、年金を受け取れます。
終身年金
契約者が生きている限り一生涯支払われます。保険料が高く、死亡した場合は、確定年金とは異なり、遺族へは年金や死亡保険金は支払われません。年金支給が始まってすぐに死亡した場合は、保険料が無駄になるので、その後は遺族が年金を受け取れるように保証期間付きの保険もあります。
有期年金
契約者が生きている限り、契約時に定められた一定期間内は年金が受け取れます。終身年金同様に、契約者が死亡した場合は、年金支払がストップされるので、死亡後も遺族が年金を受け取れる保証期間付きのタイプもあります。
さらに、保険会社の運用実績に応じて年金額が変わる変額個人年金や、さらにリスクとリターンが高くなる、外貨建てで運用を行う外貨建て個人年金保険もあります。
こうした変動型の保険の中には、保険会社によっては支払った保険料を保証する元本保証されているタイプもあります。
個人年金保険は、所得税と住民税の合計の所得から控除することもできますので、節税面でも有利になります。
公的年金が不安な今、将来のためのプラスにもなり、口座からの自動引き落としで半強制的に貯蓄でき、途中解約すれば支払った保険料よりも少ない解約返戻金になるデメリットにより解約しずらいので、貯蓄が苦手な人にとってはおすすめです!
最近の新しい投資!ソーシャルレンディングは元本保証なのは知ってた?
ソーシャルレンディングとは、企業等が少ない金利で資金を借り入れたい場合に、仲介業者を通じて、投資家からその資金を借りられるサービスのことです。
企業側のメリットは少ない金利で必要な額の借り入れが出来ることに対して、投資家は数万円レベルの少額から投資ができて、比較的短期間(数ヶ月~)で金利の高い案件(年利で約3%~10%ほど)の毎月の分配金を受け取ることが出来ます。
金利が高いだけにリスクはありますが、それでもリターンが多く短期のものもあるので、条件のいい案件だとすぐに満額になってしまうことがあります。
ソーシャルレンディング業者では、貸し付ける企業から不動産などの担保や保証人の設定などで、万が一の倒産リスクに備えています。